日記

ミラクール的ブラタモリ

桜満開です。
お散歩が楽しい季節になりました。
というわけで。
先日、会社の入っているビルが
瓢箪ビルという名前であったことをお伝えしたけれども
それが自分の中で引っかかっていて、
その後ちょっと調べました(というかググりました。)
この前の通りは古地図によると「瓢箪新道」といいます。
新道は小路みたいな意味です。
どうやら江戸時代からもうこの瓢箪新道は存在しており、
「鬼平」の中にも平蔵が瓢箪新道の蕎麦屋に立ち寄ったなどという
場面があるらしいです。
しかし、なにより興奮してしまったのは
この瓢箪新道にあった三州屋という洋食屋で
「パンの会」の総会が催されたという事実。
「パンの会」は明治後期から大正にかけて活躍した若手の詩人、画家、小説家などで構成された会です。
その期間が短かったせいかあまり知られていません。
その趣旨は「隅田川をセーヌ川に見立て、川岸近くの西洋料理店などで
芸術や青春について語り合う」という今聞くと突っ込みどころ満載な感じですが、
当人たちは大真面目だったろうと思います。
ある年に三州屋で催された会は、かなり盛大だったらしく、
世話人の名前を聞くだけですごいです。
高村光太郎、北原白秋、小山内薫、永井荷風、倉田白羊、森田恒友、木下杢太郎、吉井勇。
若き日の谷崎潤一郎はここで永井荷風と初めて対面し、その興奮を小説に書いています。
(その後、永井荷風の紹介で「三田文学」に寄稿し、一躍脚光を浴びます。)
三州屋は日本銀行風の洒落た洋館で、新道を抜ける手前右側にあったらしいです。
弊社の斜め前くらいですね。
このぼろっちいビルの前をかつて谷崎潤一郎や高村光太郎が闊歩する姿を想像すると、
それだけでこの地に働いていることがうれしく思えてきます。
地震で地盤のことが取りざたされているけれど,
こういう「地盤」も同じくらい大切だと思います。

カテゴリー: 日記

関連記事

      関連する記事はありません

新着記事

笑門来福 2023年
夢について話したい(その4)
「1月は行く」「2月は逃げる」「3月は去る」
電気マフラー
変わらないもの
顔料のおはなし(その1:分散)